介護士と夜勤と労働時間の問題

介護施設には、通所でのデイサービス、泊りでのショートステイ、入居できる有料老人ホームや特養老など、様々な形態の施設がありますが、泊りや入居型の施設では、利用者に対する夜間のケアが必要です。夜間は高齢者の体調の変化が起きやすく、より慎重に利用者に目を配らせなければなりません。しかし、夜勤で問題となるのが労働時間です。

夜勤では、利用者の状態に変化があった場合や、日勤の介護士に引き継ぎをした後の事務処理などで、長時間労働となる場合が多々あります。場合によっては十数時間の労働になることも少なくありません。また、夜勤の日数はおおよそ月に4、5回の場合が多く、単純計算で週に一日は夜勤が入ることが多いようです。しかも、ほとんどの介護施設が二交代制をとっているため、介護の仕事は肉体的にも精神的にも負担が大きいとされています。週一度でも、長時間労働があると、介護士は心身が疲弊してしまうので、宿泊や入所による介護サービスを行っている施設に勤めるときには、体力強化や体調管理が欠かせません。

また、介護を必要とする高齢者は年々増えており、介護士が不足状態にある点も残業増加の背景にあると言われています。そのため、入職しても労働が過酷なため長続きしないという人も少なくないそうです。待遇面の改善を行い、なるべく多くの人員を確保することが、これからの介護施設の大きな課題となるでしょう。例えば、休日や給与などの福利厚生面を充実させ、職員の生活に余裕を持たせることができれば、職員の確保がしやすくなり、離職率も減るのではないでしょうか?そうなれば、二交代制の勤務から三交代制への変更も可能になります。しかも、労働時間が適切なものになれば、介護ミスや事故も防ぐことができ、介護施設の信頼も上がるはずです。